第72章 今日から始動
あれから私達は審神者部屋へと戻ってきた
とりあえず腰を下ろしてこんのすけと向き合うように座った
『それで……そんなに慌ててどうしたの?』
こんのすけ「主様、落ち着いて聞いてください」
その言葉に私はゴクリと息を飲んだ
内心ザワつきながらもこんのすけの言葉を黙って待った
こんのすけ「……この前、ここの本丸の前任が脱走した話はしましたよね?」
『……うん』
こんのすけ「その前任を見つけたのですが、確保する前に逃げられてしまって…未だ行方不明なんです」
『……それで?』
こんのすけ「その前任は悪事を働き、見兼ねた政府により強制的に審神者を降ろされたんです。その為か、この本丸に未練があるらしく…この本丸を目指して逃げ回っているのかもしれません」
それって……やばくね?
この本丸に前任来るの?
えっ、無理だよ?私の力じゃ倒せないよ?
『待って、前任来たところで私何も出来ないよ?』
こんのすけ「知ってました…」
……うん、うぜぇなコイツ、キツネこら
『どうにかならないの!?』
こんのすけ「前任は霊力神力共に優秀だったので、今の主様では勝てないかと!」
『だからどうすんだって聞いてんだよ!!!まだ死にたくないよ!?しかも前任ってやべぇ奴でしょ?そんな奴にうちの刀剣達は渡しません!』
こんのすけ「…刀剣達を守れるのは主様だけです」
急に険しい顔になったこんのすけに私の心臓が跳ねた
これはただ事ではないと。
私に、この本丸を守れる力…あるのかな
そんなことを考えれば更に不安が過ぎった