第66章 青い海、白い砂浜
大典太「俺達が海に来ているなんて…不思議だな」
『ん?』
大典太「ずっと蔵にいたのに、今ではずっと蔵の外に居られて…こうして外の光も浴びられる」
ソハヤ「そうだな!俺らはホコリっぽい空気しか吸ってこなかったしよ」
そう話す二人の目はネガティブなものではなく、どことなく嬉しそうな目をしていた
『だよね…もうきっと、ホコリっぽい空気を吸うこともないよ。いや、吸わせないからね!』
大典太「あんたらしいな」
ソハヤ「ははっ、だな」
そう言いながら二人は私の頭をそっと撫でてくれる
いつもはあんまり話さないけど、たまにはこうして一緒にまったりする時間があってもいいなぁ…そう思いながら二人を交互に見れば、遠くの方から光忠の声が聞こえてきた
燭台切「皆!そろそろスイカ割りするから集まって!」
『あ、スイカ割りだって!大典太もソハヤも行こ?』
二人を誘いながら立ち上がれば、私は二人の手を握り光忠が待つ方へと歩き出す
ソハヤ「分かったから、んな引っ張るなって」
『だって引っ張っていかないと二人共着いてこなさそうだもん』
大典太「あんたになら着いていく。だから安心してくれ」
…………キュン
あんたになら着いていく……だと?
くっそ…嬉しいこと言ってくれるじゃないか……!
もうほんとにうちの刀剣ってばいい子…!!
『ありがとう!嬉しいからスイカたくさん食べよっと!』
ソハヤ「腹壊すなよ?」
『大丈夫だって!そんなヤワじゃないんだからね!』
そんな他愛のない話をしながら、私達はスイカ割りゾーンへ足を踏み入れたのだった