第8章 甘いのがお好き………?(青さんメイン)
今すぐに
触れたくて…触れてほしくて…
仕方ないのに
伝わらない気持ちに
なぜだか悔しくて涙が溢れだす…
ひどく自分がわがままなことくらい
分かってる…
それでもたまに分からなくなるんだ
本当に章ちゃんは私が好きなのか……。
誰にでも優しい章ちゃんだから
どうしようもない私の側に
いてくれてるだけでなのかもしれない…
求めているのは
自分だけなんじゃないかって…
溢れだした涙は
簡単には止まってはくれなくて
熱のせいで早くなる呼吸と重なって
必死に口を抑えても
喉から嗚咽が漏れだす……
「ひっ…く………ふ……わ……あぁ……」
声にならない声を
必死にこらえていると
寝室の扉ががらりと勢いよく開いて
焦った顔の章ちゃんが私の側に
走ってきて…
安「ど…どうしたん…!?
何で泣いてんの…?
もしかしてすごい苦しい?
今から救急病院行く?」
なんて早口に捲し立てながら
私の頬を流れる涙を
必死に自分の着ている服の袖で拭う…
そんな章ちゃんの手を掴み
その手を私の胸の上に置くと
章ちゃんは驚いたように私を見つめて…
「章ちゃん…………
章ちゃんは…私のこと……好き………?」
まっすぐに章ちゃんを見つめ返し
そう言った私に
安「へ……?あ……うん………え…?」
なんてひどく曖昧な返事をする……
そんな章ちゃんの曖昧な言葉に
涙は余計に溢れてきて
ぐちゃぐちゃな感情は
どうしようもなく流れ出してしまう…
「私…章ちゃんが好き……大好き……
でも…章ちゃんの気持ちが
たまに分からなくなる…
章ちゃんはほんとは…私を好きじゃなくて…
かわいそうだから
一緒にいてくれてるんじゃないかって…」
ぼろぼろと涙を流しながら
そんな言葉を吐き出す私を
章ちゃんはじっと見つめたあと
"ふぅ………"と大きなため息をついて
安「あほ…やなぁ…こころは……(笑)」
なんてなぜだか可笑しそうに笑った……