【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
遅れて入ってきたは組達も「うわ~っ!なにこれ!」と
驚くほどだった。
「な、何で一年は組がここに……。
―って事は乱太郎はいるのかっ!?」
「あ~……川西左近先輩すいません。
今乱太郎は校庭十五周走ってるんで、暫く帰ってこないと思います」
「そ、そんなあ……」
乱太郎は保険委員だ。
青い装束の少年、左近はこの惨状の片付けを手伝わそうと思ったに違いないが居ないと聞いて、ガックリと肩を落とした。
「まあ、まあ。仕方ないよ……。同じ一年の伏木蔵は、教室の掃除当番な上に伊作先輩も六年生の実習に行ってていないんだし。僕らだけで片付けよう」
苦笑しながら左近の肩を慰めるように叩いた。
……この酷い状況をこの二人だけでかあ。
「―え~と、もし良かったら、手伝わしてくれる?」
そう思ったときには、麻言はもう口に出していた。
「えっ」と驚いたように二人が振り向いた。
は組も皆驚いた顔をしていた。
「ええ~、でも麻言さん学園案内は……?」
「流石にこんな状態を見過ごせないよ~。
僕はちょっと二人を手伝うね。え~と、君達の名前は……」
戸惑う様にそう聞いた喜三太にそう言って申し訳無さそうな目を向けると、保健室にいた二人に向き直る。
「あ、僕三年は組の三反田数馬ですっ」
「僕は、二年い組の川西左近です……!」
「宜しくね。僕は麻言。兵庫水軍の者です」
「えっ、水軍の……!?」
「じゃあ、貴女が『見目麗しく、強い女剣士さん』!?」
驚く、数馬と左近の言葉に麻言は危うくずっこけそうになった。
恐らく忍術学園に居る限りはずっとこの名が付き纏うのだろう。
それに麻言は苦笑して
「まあ、かなり噂に尾鰭が付いちゃってるみたいだけどね。
ーえっと、それよりもじゃあ二人の指示の下、片付けするから何処に片付けたら良いか教えてくれるかな?」
「……麻言さんが手伝うなら、僕らも~っ」
「じゃあ、先輩ご指導お願いしますね~」
麻言に続くように三治郎、兵太夫が手を上げた。
他の皆もやる気になっているようで指示を待っている。
最初どうしようかと、目を見合わせていた数馬と左近であったが
そのままお言葉に甘えることにした。