【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
場所は大きく変わり、現在保健室前の方には
組達は麻言をつれていた。
「今保健委員の乱太郎がいないから、ちょっと見るだけになりますけど」
乱太郎達はまだ走っているのか姿をずっと見なかった。
僕も悪いのに三人だけ申し訳ないなあ。
この敷地内を十五週はきっと大変だろう。
「ん?」
と。保健室に近づくに連れて何やら叫び声が聞こえた。
「わあああ、棚が、倒れる……っ!」
「お、抑えてて下さいね、三反田先輩……!
―ああっ大事な軟膏があ~……!」
内部から何か転がってくる音が聞こえて、
気づけば麻言は駆け出していた。
保健室の扉から縁側へと小さな壺が転がり出てきた。
あのままでは、地面に落ちてしまう。
―ぱしっ
「ふう、間一髪~……あら?」
壺をとらえたとばかり思っていたら、
麻言は小さな手を掴んでいた。
ふと、頭を上げるとそこには青い装束を
着込んだ少年が目を丸くして見ていた。
「あぁっ、ごめんね。地面に落ちそうだったから慌ててて」
「あ、え……。は、はい」
そして、奥の方に視線を移す。
黄緑の装束を着た男の子が倒れてきそうな棚を押し返そうと踏ん張っていた。
「わああ、危ないっ!」
呆然とする青い装束の男の子の横を通り過ぎ、麻言は隣で棚にしがみついた。
ぎょっと驚いたように黄緑の装束の少年が振り向く。
「これ……、とりあえず体制立て直そうか!
君反対側持ってくれるかい?」
「え、あ、はい!」
返事をすると少年は麻言と反対側の端を持ち、
棚が均等になった所で床に下ろした。
「はあ~……危なかったね。大丈夫?二人共怪我はないかな」
「あ、ありません」
「大丈夫です…」
ほっと息をつくと麻言は周囲の現状に驚いた。
何かよく解らない薬やら、包帯やら、草やらが散らばって
部屋中にばら撒かれていたのだ。