【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
大人数で掃除した結果、短時間で保健室の
片付けを終わらせることが出来た。
「ふぁああ、終わった……!」
左近が部屋を見渡して感動の声を上げている。
「通りすがれて、良かったよ。もっと大変な事になってたかもしれないしねえ」
麻言が笑顔でそう言うと
目を潤ませながら数馬と左近が向き直った。
「麻言さん、本当に有難うございますっ!麻言さんが来なかったらきっともっと不運な事になったに違いありませんっ」
「本当ですよっ!きっと麻言さんが幸運を運んで来てくれたんだっ」
二人は力いっぱいにそう言うが、「そんな大げさな」と麻言はただ苦笑した。
「―麻言さん。まだ時間大丈夫ですか?」
麻言のすぐ傍に居た庄左衛門が訪ねてきた。
少し困ったような、心配するような顔をしている。
「ん?大丈夫とは思うけど、どうしたの」
「まだ、もう少し一緒に回りたいんですけど駄目ですか?」
「まだまだ見せたい所はいっぱいあるよ~……」
袖を引っ張りながらじっと見てくる子供たちに
少しとぼけた麻言の母性本能が疼く。
「うん、じゃあ是非とも……!」
『やったぁ~!じゃあこっちこっち』
走って先行するは組達を小走りで追っかけようとして、
慌てて振り向く。
いきなり見られた数馬と、左近は目を丸くした。
「数馬君、左近君また会おうね……!」
そう笑顔で言って麻言は駆けて行った。
存在感の薄いと言われる数馬は自分の名前を覚えて貰った事に感動して暫く泣き続け、
左近は顔を赤くしたまま停止続けていた。