【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
「……お前さん、どうせあれだろ。あの娘の手前、格好つけて『俺に任せろ的』な安請け合いな事言って引っ込みがつかなくなったんだろ?」
伝蔵の言葉にぎくりと第三協栄丸の肩が震えた。
「ったく、こんな内容の依頼が利吉の手に渡らんくて良かったわい」
それを聞いて「えっ」と第三協栄丸が目を丸くする。
「だから、諦めろと言ってるんだ―っとと、うおっ!?」
「そんな事言わないで下さいよおおおおおっ!!もう俺には利吉さんだけが頼りなんですからああっ!」
突如、伝蔵の足に第三協栄丸が縋り付いてきたのだ。
振り払おうと足を振るうも一向に離れる気配がない。
「だあああっ!わしだってあの娘の事は何とかしてやりたいが、こんな内容の依頼書を利吉に渡して見ろっ!『父上舐めてるんですか?』とでも言われかねんわっ」
「そんなぁ~っ!そこをなんとか……!」
「何とかも、どうもこうもならんっ!!ったく、あの娘は無知なだけであって仕方ないがやっぱ結局全部お前さんが悪いんじゃないかっ!後、いい加減離れろっ!!」
「利吉くんに依頼を受けさせると言うまで、離しませんっ!」
「だあああああああ、じゃあかしいっ!!」
二人の喚き合いが始まった頃、気づかぬ内に学園長、半助は
外へ出て縁側に腰を掛けていた。
「……どうしようも、ありませんね」
「全くじゃ……」
半助と学園長は大きく息を吐いた。