【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
「俺は正直、その考えに疑問を持てるやつが羨ましいと思ってる。
―お前さんが疑われて兵庫水軍の皆から
言い寄られた時、重が庇ったことを覚えてるか?」
「勿論ですよ。今でもずっと感謝してます」
「うん……。俺は立場上、あの時重を叱っちまったが、
正直見ていて気持ちが良かったよ。
ああいう奴がいてくれたら兵庫水軍は大丈夫だとも思ったし」
「え、え~とあの…何だか難しいです。
……でも、ただ僕も恐らくあの時同じ兵庫水軍の
立場だったなら、彼と同じことをしてたかも」
「はははっ、だろうな!麻言ならきっとそうするだろう。
……だから、きっとお前さんはこの先何があっても大丈夫だ」
「?な、何だかよく解らなくなってきました」
話の内容に麻言の脳内処理能力が頂点に達したようで頭を抱えている。
それを見て第三協栄丸は大声で笑うと。
「いずれ解るさ。きっとな」
と言った。
……『敵を入れない大きな壁』……かあ。
何となく麻言はあの壁が人間同士の心を遮るものに見えた。
あの時普通の人の間にはあんな壁があると言いたかったのだろうか。
難しいとは思うけど。しかし。
「皆分かり合えたら、良いのにねぇ」
突拍子もなくそう言い出した麻言に
『うん、僕らもそう思う』
純粋な彼らは同意を示してくれた。