【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
「―うわあ~、これは美味しい……っ!」
豆腐を口へ運んだ途端、つい絶賛の声を上げていた。
どれにしようか悩んだ結果麻言が豆腐定食。
一年は組の庄左衛門、喜三太、兵太夫、三治郎、伊助も豆腐定食。
そして、金吾、虎若、団蔵、は生姜焼き定食にした。
一年は組に囲まれるように座りながら、ついつい美味しさに浸ってしまっていた。
「でしょっ!おばちゃんの料理は絶品なんだ」
「雷蔵先輩程じゃないけど、どちらを食べるか悩む人も多いくらいだからね」
「あはは、ついつい迷いグセが出ちゃって……!」
少し離れた場所に座っていた雷蔵は笑いながらそう言って、
豆腐定食を頼んでいた。
其時、ふと一年は組の一人金吾の視線がこちらを凝視している事に気付いて
思わず首を傾げた。
「あ、食事中にすいません。つい見すぎてしまって……!」
「金吾ったら、女剣士さんに会えるかもって思ってて
ずっとそわそわしてたんですよ~」
「だ、だって、会ってみたいじゃない!そんな凄い剣士さんならさっ」
そう言うと興奮気味に金吾はテーブルを叩いた。
「う~ん、じゃあさっき話したことで
内心ちょっとガッカリしてるんじゃないかい?
刀も護身用の飾りみたいなもんだったわけだし」
そう言って麻言は苦笑するが、
金吾は「いえ、そんな事ないです」とはっきり言った。
「だって、きっとそんな女剣士さんだったら僕らの
ことなんて構ってくれるどころか見向きもしなかった
かもしれないもんね」
「そうそう、それに麻言さん僕らと話してて嫌な顔一つしないし」
喜三太と金吾の話に「だって嫌じゃないもの。楽しいよ」と笑った。
そういうと二人ははにかみながら
「えへへ、そう言ってくれると嬉しいです」
「有難う、麻言さーん」
とても嬉しそうだった。