【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
麻言がいつの間にか三人の傍で跪く。
すると、目が涙でぐちゃぐちゃになった顔で三人が見上げる。
麻言は心苦しそうにしながらも、しっかり三人の目を見て
「ごめんね、僕がしっかりしてないから。しかも泣かせてしまって」
麻言はそう言ったが三人は頭を振った。
「そう言うなら、私達ですよっ!」
「うん……俺、あんまり後先考えてなかった」
「僕らも麻言さんに会えたのが嬉しくて皆につい話しちゃって……」
「そうか…うん、本当だね。
でも、三人が何か言われるのもう僕嫌だから、今度から気をつけるよ」
麻言の言葉に「私も気をつけます!」「俺も!」「僕も~!」
乱太郎、きり丸、しんベエははっきりとそう返事した。
そして、麻言を含めた四人は先生たちに向き合い、
『どうも、すいませでした!今度から気をつけます!』
と深く頭を下げた。途端。
「―ぷっ、ひゃっひゃっひゃっひゃっ!」
その奇妙な光景に学園長は思わず笑い声をあげたのだ。
「はあ、久しぶりに面白いもんを見たわい。そう思わんかの?」
そう同意を求めると、伝蔵、半助、第三協栄丸が思わず苦笑した。
「ええ、私もそう思います。……まさか、生徒達と一緒に頭を下げるなんて」
苦笑したまま言ったのは半助だ。
「俺はその……、乱太郎や、きり丸や、しんベエの事も好きだしさ。
でも、俺も早く麻言をなんとかしてやりてえって思って焦って
お前らの気持ちも考えてなかったな。本当に悪かったな」
しどろもどろになりながらも、第三協栄丸が頭を下げると
伝蔵は忍たま達とずっと頭を下げる奇妙な娘へと目を向けて
「ワシは……、正直こうやって会う前は麻言さん、あんたに良い印象は持っとらんかった。子供相手に大事を軽率に話してしまう人間だと。だが、そうじゃないんじゃな……。なんというか……すまない」
第三協栄丸を見習う様に、麻言へ頭を下げた。
「―だが、乱太郎、きり丸、しんベエっ!!
お前達、悪いと思っているならそれなりに覚悟してるんだなっ!」
伝蔵の言葉に腹を括った様に『はいっ!』と三人が頷いた。
「校庭一五周だっ!!」
『は、はい~!!』
課された罰をいつもの様に渋がらず、三人は慌てて校庭に出ようとした。そして、乱太郎が襖に手を掛けた時だった。