【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
「でも―」とそこで言葉を紡ぐ麻言に皆の視線が集まった。
「……できれば嘘、付きたくなかったんですよね。
それに、話してた時三人共凄く親身になって話してくれて……。
嬉しかったんです、とても。
こういう時って難しいですよねぇ。でも、適当なことを言って傷つけたくないし。
すいません、上手く言えない上に何か本当言い訳がましくて……」
そう言うと麻言は困ったような笑みを見せて
「ごめんね。乱太郎君、きり丸君、しんベエ君…」
目の前の三人にそう謝罪した。
彼女は自身の事を話してしまった忍たま達に対して
微塵も責める思いはなかった。
あるのは周りへの罪悪感だけ。
話を一部始終聞いていた、学園長、伝蔵、半助、第三協栄丸は唖然としていた。
―と。
『麻言ざああああぁぁぁぁんっ!!!』
乱太郎、きり丸、しんベエが一斉に泣き声を上げた。
「ごめんなさいっ、わだし達のぜいでぇぇぇぇっ!」
「ごべんなざいいいいいいっ!」
「山田ぜんぜいっ、第三協栄丸ざんっ、怒んないでえええ!」
庵の中でわんわんと大声で泣き出した三人に、
「お、おいおい…!お前たち落ち着かんか…」
「三人共、俺も悪かったから。すまん…!」
慌てながら宥めるように伝蔵と第三協栄丸がそう言うも、
三人共しゃくり上げながら泣き止む気配がない。