• テキストサイズ

【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】


―それと言うのも先程の秀作の言葉通り、
伝蔵に手紙を届けた乱太郎、きり丸、しんベエの三人が麻言と話した
内容をは組全員に話したことが事の始まりだった。
この学園内ではこう言われている。
”一年は組に大事な話を知られると、学園全てに広まる”と。
そして今実際にそうなっている。
しかも、話に少し色がついていた。
『兵庫水軍に見目麗しく、強い女剣士が雇われた』と。
それが、現在定着しつつある学園内の麻言像だった。

その上、麻言本人が今回伝蔵の息子である利吉への依頼人だ。
学園内のこの状況下、いつどんな風に漏れるや解らない麻言の情報。
まだ利吉本人には以来こそ頼んではいないものの、
この情報が漏れた際は利吉の仕事にも支障が出てくる。
事態は意外にも深刻だったのだ。

「―うぉっほんっ!」

歯ぎしりをしながら睨み合う二人を牽制するように学園長は、大きな咳をした。
すると、はたと二人の怒りの圧力が下がる。そして。

「二人共……言い争いはよして下さい。
それにほら、気にしてらっしゃる、ようですし……」

困ったように半助が言うと、ちらりと目で麻言の方を指し示めす。
同時に振り向くと、そこに座っている麻言はどんよりとした
空気を背負っており、心底申し訳なさそうに俯いていた。

「あっ……。そのぉ、麻言―」
「―ごめんなさい、皆さん。僕が後先考えずぺらぺら話したせいで……」

何か言わなければと、声をかけた第三協栄丸が、
言い終えるより先にそう深い謝罪の言葉を発していた。
その上、伝蔵に関しては麻言の言葉に自身が先程口にした事を思い出し
「うっ」と言葉を詰まらせる。
そして、乱太郎、きり丸、しんベエは一瞬ぴくりと震えると更に俯いてしまった。
麻言の酷い落ち込みようを見て大人げない大人二人は困ったように目を合わせ視線を彷徨わせる。
怒りはすっかり抜け落ちてしまったようだ。


/ 177ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp