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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】




第八話「忍たま達の学園案内」


かこんっ


場所は変わって学園長の庵。
庭の鹿威しが小気味良い音を立てている。
その周囲は毎日綺麗に手入れされているのか、見事な庭園だ。
本人の趣味である盆栽もきっちりと葉が切り揃えられている。
―が、本来心休まりそうな静かな風景も庵の中にいる人物達にとっては
張り詰めた緊張を増長させるものとなっていた。


庵の中央に座る老人こそ
忍術学園の学園長事、大川平次渦正、本人。
その右で跪くのは暫く手紙でやりとりしていた山田伝蔵。
そして、左で跪くは伝蔵と同じ組の教科担当教師、土井半助。
神妙な顔で佇むその三人の前にちょこんと座り込む子供三人の姿。
乱太郎、きり丸、しんベエだ。
小さい背丈の彼らは更に小さくなって、両目に涙を溜めていた。

そんな彼らと対面するように麻言、
その隣に第三協栄丸が腰掛けているが―
第三協栄丸は先程から怒りがまだ収まらない様子で
眉間に皺を寄せ、目を吊り上げていた。

「…その……」

恐る恐ると切り出したのは伝蔵。

「ーいやぁ、すまんすまん。
忍術学園のこの現状を手紙でどう書くべきか悩んだんだがな…」

わははと苦笑しながら、そう言う伝蔵に
ぷちんと第三協栄丸の堪忍袋が切れた。

「―何なんですかあああああああああああ!!
一体全体ほんとおおおおおおおっ!!!!!!
これで、今後麻言の身になんかあったら
どうしてくれるおつもりなんですかあああああああああ!!???」
「はああああっ!?何逆ギレしとるんだっ!!!
大っ体っ一年は組の三人にペラペラ話すほうが悪いんだろうがあぁっ!!!
それはお前さんだって、よおおおおく知ってるだろうがっっ!!!!」
「あんたらの教育方針が悪いからそうなるんだっ!!!!」
「なああああにいいいいいいいいっ!!???」

伝蔵自体も内心第三協栄丸へ鬱憤が溜まっていたのか、
怒鳴られると同時に、溜め込んでいたものを吐き出すように怒鳴り返していた。
喚き合う二人の声に庵内が小刻みに震える。
実に大人げない光景だ。

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