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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】


手紙の内容はこうだった。


”春休みの間、息子の帰りをずっと
待っていたがちっとも帰って来ん。
―どころか手紙も寄越さない始末。
余程仕事が立て込んでいるのだろう。
しかし、そのご夫婦を探したいという
例の娘の事が正直気になる。
それに依頼主はお前さんでなくてその娘だろう。
いつでも良いから、連れてきてくれ。”

「…との事でなぁ」
「なるほどぉ、解りました」

読んだ後、苦笑する第三協栄丸に対して麻言は真面目に返事をした。
確かに依頼主が直接何も言わないのは、何となく失礼な感じがする。

「そんなわけなんで、今日の昼食、夕食は
俺が作るから気をつけて行ってきてくれよ」

鬼蜘蛛丸のその言葉に麻言は目を見張り。

「え、鬼蜘蛛丸さん…!夕食まで作ってくれるんですかっ!?」
「話し次第ではいつ帰ってこれるか解らないだろうし。
まあ、任せておいてくれ!」
「すいません、鬼さん…お願いします」

麻言そう鬼蜘蛛丸に頭を下げて、顔を上げると
鬼蜘蛛丸が目を丸くしたまま固まっていた。

「あれ、どうしました?」
「あ。ああ、今の”鬼さん”って…」
「あぁっ、ごめんなさい。
つい呼びやすいように、呼んじゃってたみたいで…!」

麻言が慌ててそう言うと、鬼蜘蛛丸は顔を赤らめた。

「あ、でも俺は良い呼び名だなあって思うよっ!うんっ。
…出来たらこれからも、そう呼んでくれたら、嬉しい…」
「あ、本当ですか…!良かった~…!
じゃあ、お言葉に甘えてこれからは鬼さんって呼びます」

和やかな空気が流れ二人がはにかんでいると

「―はいは~い。ストップストップ~」

ぬっと半目しながら、二人の前に第三協栄丸が立ち塞がった。
「お、お頭…」と鬼蜘蛛丸が苦笑いする。

「じゃあ、麻言はこれから食事の準備があるだろう。また後でな~。
―はいはい、鬼蜘蛛丸は行った行った!」
「わっ、ちょっ、お頭!?麻言じゃあ後でな…!」

あたふたとしながら第三協栄丸に押し出されるようにして鬼蜘蛛丸が外へ。
その後第三協栄丸が続いた。

それを見て麻言はくすくすと楽しげに笑っていた。

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