【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
そして、それを見て正直航は羨ましいと思っていた。
―多分俺だけじゃ、ないんだろうけどな。
「―航っ?航さぁ~ん?」
はっと気が付くと、目前に麻言の顔があり
「おうわっ!」と驚いた航は後ろに仰け反ってそのままひっくり返った。
「えっ、えぇ~っ!?ごめん、大丈夫っ?」
「は、ははは。大丈夫、気にすんな」
あたふたと謝る麻言に対し苦笑しながら、
身体を起こすと手で背中についた砂を軽く叩き落とす。
「何か驚かしちゃったみたいでごめんね…。
えっと、そろそろ僕炊事場の方に行くよ」
「ああ、そうか。じゃあ、今日も楽しみにしてるな~」
「有難う!頑張るよっ」
そう言って、笑顔を見せると麻言は炊事場の方へ駆けて行った。
その後ろ姿をじっと見つめながら、
「はあ…。しっかし競争相手が多いからなぁ」
それだけ、魅力があるっつう意味だけどな。
溜息をつきつつも航は柔らかい笑みを浮かべていた。