【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
「と、ところで、今日は朝飯なんだ?」
内心申し訳ないと謝りつつ、心に浮かんだ義丸をそっと拭き消すと
そんなとりとめのない質問をした。
「え~と…今日は―
鰆の焼き魚、アサリの味噌汁、ちくわの和物…」
麻言は丁寧に朝の献立をつらつらと説明しだした。と。
だらりと航は涎を垂らしかけ、慌ててそれを飲み込む。
「どれも美味そうだなぁ」
「さて、それは食べてみてからのお楽しみだよ」
航の言葉に麻言は悪戯っぽく笑ってそう言った。
麻言が来る前はだんとつで鬼蜘蛛丸の料理が
兵庫水軍一美味いと言われていたが、
麻言の料理もそれに引けを取らない。
そして、驚いたのがその料理のレパートリーの広さだ。
ここ数週間で彼女の作る食事の数々を見て、
口にしてきたが目新しいものや初めて食べる味に皆、目を見張るほどだった。
数日は兵庫水軍の人数が多いので作るのが大変だろうと、
鬼蜘蛛丸が一緒に付いて手伝っていたが
麻言の手際の良さにとても感心していた。
その上鬼蜘蛛丸は麻言の作る料理に興味を持ち、
最近では二人が料理談義をしている姿をよく目にする。