【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
「―そして、数日森の中を彷徨ってたんです…。
でも時間が経つにつれ、段々冷静になってから
自分の仕出かした事に罪悪感が膨らんできて。
…引き返そうにも地図も持たず家から出てきてしまったせいで
帰れなくなってしまったんです…」
そう語る麻言はまるで懺悔をする様に、頭を垂れていた。
「…その後は、昨日話したとおりです。
数日食べてなかった僕はふらついて、崖の上から海に落ちました」
そう全て麻言は語り終えた。
しんと周囲は静まり返っている。
すると。
ぽんっ
肩に軽く手を置かれた。目前にいた第三協栄丸の手だ。
麻言は思わず顔を上げると
「―そうか。色々、不安になっちまったんだな」
第三協栄丸は軽く微笑した。
そう言われた途端。
麻言は何か腑に落ちた気持ちになった。
不安。
そうか僕は、ずっとそうだったのか。
記憶を亡くしたあの日から。