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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】




「それにしてもと」町中を物珍しげにきょろきょろとしていた麻言が切り出した。

「舳丸さんって、すごく落ち着いていますよね」

てっきり町の中の事を尋ねられるのかと、予想していたら思いもよらぬ言葉に目を丸くした。

「何だ、いきなり?」
「いやあ、結構兵庫水軍の皆こう、元気いっぱいって感じで――」
「私は元気がないと?」
「――ええっ!? いあ、ごめんなさい、そういう意味でなくて」

何故謝るんだ?
ただ単に疑問に思って口に出しただけだが、私の返しに焦ったように麻言が両腕を振り回している。
そこでふと思い出す。
そういえば、以前忍術学園の子を怖がらせて泣かせてしまった事があった。
その後、一緒に居た重に『兄貴は目つきが鋭いから、相手が子供なら仕方ないかなあっていうのもありますけど――、ちょっと言葉が足りない節がありますね~。ずっと一緒にいる俺は大丈夫ですけど。でも、勿体無いなあ。兄貴は折角格好いいんですから、それで優しい言葉掛けができたら女の子なんかはきっとイチコロですよ』
――なんて言われたな、確か。
最後の言葉は正直どうでも良かったが。
言葉が足りない……と、言うのは一理ある、と思う。
だが、重の言葉を受けてその後練習してみたが……、話す、ということも一つの才能なのだろうなと思い知った。
どうにもこうにも、上手くいかなかったのだ。
まあ、私自身が元々興味が無いせいもあるのかもしれないが。
しかし、やはりもっと努力すべきなのか――

「み、舳丸さん?」

いつの間にか、考えふけっていたのか麻言の声にはっと我に返る。

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