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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】




舳丸の話「買い物と和解と」



「――じゃあ、舳丸頼むなっ」
「はいっ、お頭」

返事をすると、お頭から差し出された銭を受け取る。
これは兵庫水軍の仕事道具代だ。
先日備品の点検をしていた者から、幾つか補充の必要なものがあると聞いたらしい。
そして今、お頭から買い出しをお願いされたのだ。
懐に銭を入れると、支度に一度自室へ戻ろうとすると。

「お頭~っ! それに、舳丸さんもっ」

麻言の声がした。
名前を呼ばれていなかったら、そのまま行ってしまってもしれない。
たまたま一緒にいたから、私も呼んだのか。
なんというのか、律儀な娘だな……。
名前を呼ばれたからには、そのまま行ってしまうのもどうかと思いお頭同様振り向くと。
愛想の良い笑顔を浮かべて「二人で何処かにお出かけですか?」と訊いてきた。

「ああ、舳丸だけな。今から町に買い出しに行くんだよ」

そう言って目を向けるお頭に私が頷くと

「そうなんですか! ――……あ、あの」

おずおずと麻言が声をかける。
それに、私とお頭が首を傾げて見ていると

「ぼ、僕も一緒に行ってもいいですか?」

と言い出したのだ。


そして、私は今麻言と町へ向かっていた。
ここへ来る道すがら聞いたのだが、町へ行くのは初めてらしい。
麻言が私に付いてきた理由は、野菜の種を購入する為だ。
どうにも食事を作る際、野菜が少なくて困っているとの事だった。
海が近いため、魚介類の心配はないものの。
その代わり野菜を作る農家がほとんどいない。
かといって、兵庫水軍から人員を省いて毎回野菜を買いに行かせるのも忍びないとの事で。
だったら自分で作ったほうが早いと言うのが麻言の意見だった。

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