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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】



そして、今に至る。
しっかし、そんなに俺は勤勉でなければ頭が良いというわけでもないのに、何を気軽に『一緒に勉強してみないか?』って。
つい自嘲の笑みを浮かべた。
しかし、正直嬉しい。
思えば、こんなにゆっくりと一緒に過ごすのは初めての様な気がする。
麻言だって、毎日朝昼晩と食事を作ってくれてるし俺は俺で水軍の仕事があるし。
それでも、麻言の様子はいつも気になっていた。
気付けば、目で追っている。
いいヤツで、仲間で、優しい。
……それに、傷ついて欲しくない。
しかし。
大事な仲間は水軍の中で他にも沢山いるのに。
何でこんなにも、ずっと……――
彼女は俺の中を占めているんだろう?

「それにしても」

っと、麻言が切り出していたのは俺がそう考え込んでいた時。


「重には、最初会った時からお世話になりっぱなしだねぇ」

えっ、と少し腑抜けた声を出して振り向くと麻言と目が合った。
どきりと胸が高鳴る。続いて、頬に少し熱を感じた。
眼鏡越しの黒く、無垢な瞳に吸い込まれそうな錯覚を起こす。と。

「いつも、有難う」

そんな俺へと穏やかに微笑んだ。
この時更に熱が上がったのは気のせいだったのだろうか。

「ど、どう致しまして」

情けなくもそう返事をするのが精一杯だったが。
なんてことない、事なのに。
俺は今すごく幸せだった。
そして、同時に思う。
目の前のお前が。今もこれからも幸せであって欲しいと。


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