【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
事は昨日の夕食後まで遡る。
お頭と麻言が、二人で手紙を手に何やら話し込んでいた。
何やってるんだろう。
と、最初は単純に気になっただけもあるんだが。
気になったのは、それだけじゃなくて。
お頭と、麻言の距離。
一枚のの小さな紙を一緒に持ってるわけだから、何というか、その、物凄く近いわけで。
しかし、今だけじゃなく傍目から見てても二人共凄く仲が良いからなぁ。
何故か解らないが、少しもやもやとしたのも原因だった。
「二人共何やってるんですか?」
そう声をかけたのは。
それに気付いた二人は同時に顔を上げると
「おお、重っ。いやぁ、今な一緒に手紙を読んでたんだよ」
「ほら、僕字が読めないから読めるようになりたいなあって。そしたら、お頭が一緒に読んでみたら良いんじゃないか? って。後本当は字も練習したいんだけどね」
麻言がそう言って苦笑すると「そんなに急がなくていいだろうによぉ」と隣でお頭が笑っている。
「有難うございます。でも、僕ずっと色々疎かにしていた節があるから思いついた時にやっておきたいなあって」
前向きでなかなかに固い意志を感じる返事だった。
そうか、そういや麻言は字が読めないんだったな。
ふっと思い出す。
そういや、明日の昼間は俺は非番だっと。
「だったら――」
気付いたら、勝手に口が動いていた。
「明日、一緒にちょっと勉強してみないか?」と。