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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】






「――じゃあね~っ!麻言さああああんっ」

そう言ったしんベエを筆頭に、忍術学園の皆が其々別れの言葉を口にしていた。と。
見送る麻言の前に、てててと喜八郎が駆けてきた。
麻言がどうしたの?と口にする前に
――昨日、小松田さんが落ちかけた落とし穴、作ったのこの僕。
と囁く。
一瞬視線を下に落とすと、「僕のせいでごめん」と言った。
それに麻言は頭を振った。
「喜八郎君のせいじゃないよ。誰も悪くないんだよ」
そう麻言も小声で返すと「……そっ」喜八郎が一言。
踵を返して、皆の元に戻っていく喜八郎が一度振り返って「またね」と言った。
心なしか笑っているように見える。

それを。
呆然と見守る、兵庫水軍勢。
そんな様子を見て、第三協栄丸が大笑いした。

「良かったなお前等っ!麻言を守るつよ~い味方が増えたなぁっ」

一部は好敵手かっ?とおちょくる様に付け加えると

「な、何を仰っているのやら、お頭ぁっ」
「そうそうっ」

しらばっくれる様に笑う航と間切。
しかし、先程の喜八郎と麻言の様子に焦りを隠せていない。と。

「しんべヱ君っ!待って~」

いつの間にやら何処かに行っていた網問が二人の間を走り抜けると、しんベエの前で立ち止まる。
何か話していたが、二人には聞こえない位置だった。

「――で、この手紙をパパに渡したら良いんですね?」
「うんっ。いいデザインのがあると良いんだけどなあ」
「南蛮物なら、きっと色々ありますよ~」
「じゃあ、宜しくね~っ」

そう言うと、網問は笑顔で手を振った。
走っていくしんべヱの後ろ姿を見ながら


「いやあっ、この夏は楽しみだな~」


と、にやりと笑いながら意味ありげに呟いた。



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