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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】



「第三協栄丸さん、麻言さん」

半助の声に二人が注目すると

「その、昨日は色々ありましたが。
――我々は第三協栄丸さん率いる兵庫水軍のお仲間として、これからも麻言さんを歓迎したいと思います」

そこまで言うと、半助は否と改め

「我々は麻言さんという人を信じます。……ちょっと、"ごくごく一部の方が"悪い事も言っているようですが、必ずお守りしますので、ご安心を……!」

ごくごく一部の方と言うのをやたら強調して、半助は笑顔のまま眉根を寄せた。
恐らく安藤夏之丞の事だろう。

「それから――第三協栄丸、麻言さん」

言葉を継ぐように伝蔵が

「昨日蹴ってしまった以来の件……、やっぱり一度利吉に話してみようと思う」

一応なと付け加えてそう言った。
その瞬間、第三協栄丸は伝蔵に足元に縋り付き、麻言は目を見開いた。

「山田先生っ!!それは本当ですかっ!本当なんですかああああ!?」
「ほ、本当だっ。ああ、もう縋り付くな第三協栄丸っ!気色悪いっ」
「――で、伝蔵さん……っ」

麻言がそう声を上げると伝蔵と第三協栄丸が注目した。

「有難うございますっ。本当に有難うございます……っ」

色々な事が起きて、感極まった麻言はとうとう泣き出していた。
昨日のものとは違う種類の雫が伝っていく。
最初は皆驚いた顔をしていたが、やがて優しく頬を緩めると
それを暫くの間、皆ただ暖かく見守っていた。


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