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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】




「というか、第三協栄丸さん説明しといて下さいよ……」

そう半目で第三協栄丸を見やると

「いやあ、麻言も今朝目が覚めたと聞いてたんだけど、また眠ってたからタイミングがよ」と苦笑していた。
すると麻言に三郎は向き直り

「自己紹介が遅れたけど……。私は鉢屋三郎だ。今雷蔵が言ったように、昨日あんたの前に現れたのは私だよ」
「そ、そうだったんだ……!」

話し方の雰囲気等がなんとなく違うと思っていたわけが解り、納得がいった。
三郎がそう自己紹介すると、そういえばと他の五年生が口を開く。

「何か、昨日のどたばた騒動で俺達も自己紹介できないんじゃないか?」
「ああ、そういえば確かにっ」
「それじゃあ、俺達も」

勘右衛門、八左ヱ門、兵助がそう言って立ち上がった。

「五年い組、尾浜勘右衛門です。麻言さん、昨日は三郎を有難うございます」
「五年ろ組、竹谷八左ヱ門。三郎がお世話になりました」
「五年い組、久々知兵助です。三郎が本当にすいません
「おいっ、自己紹介に混ぜて俺の礼を言うのやめてくれっ」

三郎が実に嫌そうに三人を見ていると

「いやぁ、三郎が素直に礼を言わないから同級生のよしみで俺達が――」
「言わなくて良いからっ」と三郎が兵助を遮る。
「じゃあ、お前自分でちゃんとお礼良いなよ」

そう半目で勘右衛門が言えば、うっと三郎が言葉を詰まらせる。

「ちっ」

そう舌内すると、ずんずんと三郎が麻言の目前まで迫ってきた。
目を丸くする本人の前にしゃがみ込むと。
麻言の頭に縦の手刀を軽くお見舞したのだ。
「うげっ」と麻言は奇声を発する。

「――ちょ……っ!」
「さ、三郎っ!何するんだよ麻言さんにっ」
「五月蝿いっ。大体、あんたっ!昨日は何であんな真似したんだよっ」

周囲の皆が仰天する中、五年生の中で三郎の行いを非難する声が上がったが、
それを威嚇する様に睨みつけると、麻言を指差して三郎はそう物言いした。


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