【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
暫くぼうっと天井を眺めていた麻言だったが、寝床にいると睡魔というものは襲ってくるようで。
気付けば、ふと眠りについていた。
頭のなかで響き渡る、声。
怯えを含んでいる。
"貴方一体、何者なんですか"
本当だ。
ついこの間までは、自分が何処の誰なんだろうくらいしかぼんやり思ってなかった。
でも、意味はそれだけじゃない。
つまりは"どういう人間"かって事だ。
もし――――だった――ら
「――麻言さぁ~ん」
「っ?ううううぅ~~んっ」
呼びかけられる声。急激なお腹の痛みと、重み。
これが金縛りっていうものだんだろうか。
しかしどっかで聞いた声だなあと、思いながら麻言が唸っていると。
「しんベエっ!何やってるのっ」
「馬鹿っ、麻言さんは、腹にダメージ受けてんだよっ!」
同じく聞き慣れた声が二つ。
途端、ぱちっと麻言の瞼が開かれる。
目に写ったのは、三人の姿。
乱太郎、きり丸……が、麻言に乗っていたしんベエを退けていた。
「――あれ、三人共」
何でここに、と身体半分起こした麻言が問いかけようとすると
『麻言さぁあああああああんっ!!』
一度退いたにかかわらず、三人がぎゅっと抱きついてきた。
「心配したんだよおおおおっ!だって、山賊に襲われたって聞いたから――」
「私達、いてもたってもいられず、きちゃったんですっ」
「そうそうっ。"皆"も謝りたいって言ってたしっ!」
わんわんと泣き出すしんベエ。
そして、乱太郎にきり丸が続く。
しかし、麻言はきり丸の言った言葉が気にかかった。