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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】



春も半ばを迎えた夜。
暖かくなってきた筈の空気であったが、館内の温度は一気に下がっていた。
そし「うわあああああっ、やっぱり妖刀だあああああああああああああああっ!!もうヤダっ本当おおおおぉぉぉっ!!」
「――おい、疾風っ。お前っ本っ当、いい加減にしろよぉ……っ!」

眉間に皺を寄せた第三協栄丸の堪忍袋は破裂寸前だ。
それを感じ取った蜉蝣、由良四郎は慌てて疾風を抱えると夜闇の中へ放り出した。
いやだああああっこんな話聞かせて暗い所で一人にしないでぇぇぇっと扉を叩く音が聞こえるが皆黙認する。と。

「お頭」と舳丸が再び口を開いた。

「この事は、麻言に全て話すおつもりですか?」
「……否、俺はこの事は黙っていようと思ってる。できれば、皆にもそうして欲しいとも」

途端周囲がざわついた。

「お頭、でも、それは」
「仲間に対してどうか……って、言いてえか?白南風丸っ」

意見しようとしながら、言葉が支える彼を代弁するように第三協栄丸が尋ねる。
その瞳の鋭さに思わず白南風丸は息を飲んだ。
しかし、その威圧を堪えるように深く頷き肯定の意を見せると

「私も……同じですっ」

庇うように重が言う。
そして網問、航、間切も同意見だと言わんばかりに頷いた。

「なっ!お前らっ、お頭の考えに――」
「待て、由良四郎っ」

激昂しかかった由良四郎を手で制すと、第三協栄丸は五人と向き直る。

「……お前らは何故麻言は仲間なのに全員で嘘をつく様な真似をするんだと思ってんだな?」

心を見透かした様な言葉に五人は目を丸くした。
それを見てやっぱりなと言うように、第三協栄丸は苦笑する。
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