• テキストサイズ

【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】




三郎が自分達を付けてきていた事だけを除いて、第三協栄丸はそう語り終えた。
水軍館の中はしんと静まり返っていた。
第三協栄丸は皆の様子を伺っている。
ある者は俯き黙ってしまい、ある者は眉を顰め、ある者は目を丸くしており
ある者は――

「よ、よよよよよっ、妖刀だあああああああああぁぁぁぁっ!!」

堪らず悲鳴を上げた。
犯人は幽霊、妖怪等が大の苦手な疾風だ。

「否、そうじゃねえだろっ、疾風っ」
「いぃぃやっ、いやいやっ!そうじゃねえって、そうだろうがよおおぉぉぉっ!!」

蜉蝣がそう突っ込んだが、それに構わず疾風はがたがたと震え続ける。
そして身を守るように身体を丸めてしまった。
もおおおおお頭ぁっ勘弁して下さいよおおおっと悲鳴を上げ続ける疾風を皆呆れたように振り返って見ていたが。
「はい、皆~。疾風は放っといて~」と第三協栄丸は仕切り直す。

「舳丸っ。俺の予想が当っていれば、
今からお前に聞きたい話はその"三郎君が目前で起きた事の前に繋がる"筈なんだが――」

そう言って視線を向けられた舳丸は「はい」と一言。

「私も今同じように思っていました。お頭達がその山賊共と遭遇したのは夕暮れでしたね。
丁度私の目前で起きた事も夕暮れ時。――でしたら、辻褄が合います」

一旦姿勢を正すと、舳丸は夕暮れ自身の前に起きた事を冷静に話し始めた。
一仕事が終わり、水軍館へ向かう途中偶然麻言の家の前に通りがかったこと。
帰っているか確認するために、家の中の様子を伺った所居間に置いたままの刀を発見した事。
そして、その刀が突然鍔鳴りを起こし――
目の前で急に消えた経緯まで。

/ 177ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp