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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】



「三郎君、それはな――麻言の刀だ」

そう聞いた途端、三郎の眼は見開かれた。

「あの……っ。一応お尋ねしますが、刀は今日お持ちでなかった、筈ですよね?」
「そうだ。でもな、現に目の前にあるんだよっ」

途切れ途切れに、用心深く三郎が尋ねると第三協栄丸ははっきりと告げる。
とても奇妙な出来事だ。
ざわりと嫌な寒気がよぎる。
この手の話を三郎はどちらかといえば信じない方だった。
しかし、彼は冷や汗が流し考え込むように俯いていた。
そして彼は生唾を飲み込むと

「第三協栄丸さん。
――不思議な事ついでです。私は先程、目にしたものを正直に話しますが、信じてくれますか?」

少し青い顔をした三郎がそう言った。

そこで聞かされた話がこうだ。
麻言に山賊の一人が斬りかかろうとした時だった。
あの時、第三協栄丸はてっきり三郎が暗器等を投げて山賊を止めたのだと思っていた。
しかし実際、三郎は焦りのあまりその判断ができなかったのだ。

それでも、彼は山賊を止めようと駆けていた。
――すると、斬りかかる山賊の目前。
麻言の盾になるかのように、その刀が現れい出たのだと。
そしてその刃は鞘とかち合うと、半分に割れ、破片は弧を画きながら地面へと落ちたのだ。と。

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