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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】



「――付けてきてたんですよ、学園内からずっと」

やがて観念するように、自らの口でそう言った。

「ただ、私は間違った事をしたとは思っていません。あの場には六年生もいませんでしたしね。そんな時、忍術学園に何かあったら困りますので」

それにあの警戒心の強い六年生方がいれば、同じことをなさったはずだ。
そして、今私が言った事と同様の言葉を放つのだろう。
でも何故だろう。
いつもはそれを間違いだと思ったことは無いはずなのに、まるで言い訳をしている気分なのは。
彼女が自分を見て、ほっとした顔をするのを思い出して心が痛むのか。
そんな葛藤が、珍しくも顔に出ていたのか第三協栄丸は何も言わない。
しかし、思い出したことがあった。

「三郎君。そういやさっき、何故あの場にその刀が落ちていたのか聞かせてくれないか?」

途端に神妙な顔つきになった第三協栄丸。
その眼は、三郎自身の持ち物である長布で巻かれ、背負われた刀へと集中していた。

「この刀ですか。そういえば、これは一体?」

持っててくれと第三協栄丸に頼まれたので、現在このような形で持ち歩いていたが――
奇妙な刀だとは思っていた。
赤と黒の濃淡。
それだけでも珍しいのに、更に白い曲線の切込が幾つも入った不思議な模様。
だが、一番に奇妙なのがこの刀全体が放つ雰囲気だ。
言葉で表すのは難しいが、正直持っていて気持ちのいいものではなかった。

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