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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】



「……それから、良いんですか第三協栄丸さん?
私も一応関わっていた当事者ですし、同席した方が良いのでは。それに――さっき帰り道言ったでしょう。私は――」
「三郎君っ」

第三協栄丸の声に制止され三郎はそれ以上発言できなかった。
重は怪訝そうな顔をしていたが、第三協栄丸はふっと笑った。

「良いんだ、三郎君。
何であれ、君がいなかったら最悪な事になっていたのは間違いないんだ。本当なら礼をしたい所なんだが、今日はもう遅い。それに、先程の一件を学園長先生に報告せねばならんだろう?」
「は……はい」

俯き、キレの悪い返事をする三郎を見ながら苦笑気味に第三協栄丸は笑う。
そして、「後日、改めて来てくれ。その時是非礼をさせてくれ」と言って、重を従いながら麻言の部屋へと向かっていった。
少しの間三郎は俯いたまま、その場に残っていた。

「……私は、お礼を言われるような事なんて、何も……」

助けられたと言われたが、それは私の方なのに。
その瞬間、自分を見てホッとした麻言の顔を思い出した。
仮面の上からでも、痛みを感じるほどに三郎は唇を噛み締めた。

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