【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
「……黙ってても仕方ないから、正直に言うが帰りに山賊に襲われた」
その瞬間皆の顔が驚愕に見開かれ、ついでまさかっという声が上がった。
「麻言は……っ。麻言は怪我をしてるんですかお頭っ!?」
重が食って掛かるような勢いで第三協栄丸に迫った。
それに第三協栄丸は落ち着けっと制すと
「……とにかく、麻言を休ませてやらにゃならん。重っ、悪いが俺と麻言の部屋に来てくれるか。布団を引いてやって欲しい」
「はいっ、勿論です……!」
「それから――
他の奴は水軍館の中で待っててくれ。……大事な話がある。
後、三郎君。……本当に有難うな、気をつけて帰ってくれ」
水軍達が揃って返事し水軍館へと入っていく中、三郎が「待って下さい!」と慌てて第三協栄丸に追いすがった。
そして、自身にたすきがたに括り付けていた長い布を紐解くと。
その背にずっと背負っていた物を第三協栄丸に差し出した。
――“麻言の刀”だった。
それを見ると、おお!すまんすまんと第三協栄丸が謝り
「お頭、私が代わりに」
隣にいた重が三郎の手から受け取った。