【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
「――なあ、いくらなんでも遅すぎやしねえか?」
兵庫水軍達の精鋭達が水軍館前に集まっていた。
由良四郎がそう訊ねたのは、忍術学園へ向かった第三協栄丸の麻言の事だ。
「ああ、確かお頭は夕方頃には帰る……、と仰っていたが」
そう言って蜉蝣辺りを見回す。
すっかり日は落ち、辺りは真っ暗になっていた。
「やっぱり、探しに行くべきでは……?」
心配そうに提案したのは間切。
しかし、それに疾風は眉根を寄せて考え込み
「いや、だが万が一にもすれ違いになってしまったら……」
「――いえ、行くべきだと思います」
はっきりとそう告げた声に皆驚いて、声の主に注目する。
皆の視線をあびる中、舳丸は動じることなく神妙な顔をしていた。
彼は先程から、何か考え込むように俯いてたのだが何か考えがまとまったのであろう。
舳丸はあまり主張の激しい方ではない。
しかし、若い水夫であるものの、その洞察力は確かだ。
その舳丸の発言に意を決した様に皆頷いた。
「……そうだな、そうしよう!じゃあ、忍術学園に続く道を分かれて探しに行くぞっ!」
疾風の言葉に皆がおぉっ!と返事した時であった。
「――おおぉーいっ!!」
予期せぬ方向から、聞き慣れた声がきこえ皆が一瞬動揺した。
「えっ!今の声お頭っ?」
「で、でも何処からっ?」
「こっちだ、こっち!」
すると、付近の木々が茂る中。
がさりと音を立てて第三協栄丸が現れたのだ。
その隣にひょっこりと三郎が顔を出す。
思わぬ所から第三協栄丸だけでなく、三郎が現れた事で皆は困惑した顔になり
「お、お頭っ?何でそんなとこから……。しかも、もう一人は忍術学園の方では?」
捲し立てる様に疾風はそう質問したが、途端もう一つ疑問が浮かんだ。
麻言の姿がない。
そう思い更に問いかけようとすると、はっと疾風は第三協栄丸に背負われた麻言に気付く。
他の水軍達も気がついたようで、戸惑いながら視線を麻言に注いでいた。
それを察した第三協栄丸は、一度麻言を憂うように見ると。