【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
――きいいんっ
盗賊の刃が麻言に迫った其時。
金属の弾ける音が辺りにこだました。
宙に弧を描きながら、地面に何かが刺さった。
刀の切っ先だ。
ついで“何か”がカシャンと音を立てて転がる。
残った刀部分を盗賊の男は唖然と見下ろす。
「――このおおぉっ!!」
そんな隙だらけの男を見過ごす筈無く、雷蔵は渾身の力を込めて
投技を決めた。もちろん投げ込むのは斜面のきつい森の方へ。
落ちていく男の声など無視して雷蔵は慌てて、麻言へ駆け寄った。
麻言の顔の方へ膝まづくと「おいっ!大丈夫か?」と慌てて声をかける。
閉じかかっていた麻言の虚ろな瞳が雷蔵を見た。
「らい……ぞう君……。……大丈っ夫?」
自分はボロボロだというのに、ほっとした様に僅かに笑っていた。
それに対し雷蔵は色んな感情が渦巻いたが
「それは……、大丈夫なやつの方が聞くんだろうがっ」
「ごめんね。有難う雷蔵君……」
それで精一杯だった。麻言はとうとう意識を手放してしまった。
雷蔵は横たわる麻言の口元に付いた吐瀉物を自身の忍装束で拭ってやった。
「うああああああ麻言――――――っ!!!!」
雷蔵が振り向いた瞬間凄い勢いで第三協栄丸が走ってきた。
遠くの方で最後まで交戦していた相手がボロ雑巾のように転がっている。
「……大丈夫です、気絶してるだけですよ。って、第三協栄丸さん。さっきの相手と刀で戦ってたんですよね?なんで相手ボコボコになってるんですか」
「刀は途中で折れちまったから、しゃらくせえと一思いに殴りまくってやった」
「……流石、海賊」
肉弾戦もお強い。
そう言って呆れたように雷蔵は笑った。
「ところで、雷蔵君」
「……第三協栄丸さん。私は鉢屋三郎ですよ」
雷蔵、否。鉢屋三郎がそう事実を口にすると第三協栄丸が目を見張った。