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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】




「――っがぁ…っ!」

肉を叩きつける様な鈍い音と共に麻言の軽い身体は吹っ飛んだ。
地面に勢い良く衝突し、その身体が数度転がり力なく投げ出される。
痛みと、腹への強烈な一撃への反動で麻言は激しく嘔吐した。
息ができず、ひゅっひゅっと口から音漏れがしている。

「麻言――――――っ!!!」

第三協栄丸が悲鳴を上げた。
「おっと、よそ見するとは余裕だなっ」とそれを見て鍔迫り合いの相手はニヤついている。

「くそっ!退け…っ!退けってんだよおおおおお」

激しい焦燥にかられながら、何度も何度も刃を交える。
しかし、そのせいで第三協栄丸は普段の実力を出せずにいた。
雷蔵の方は内心焦りながらも、たまごとはいえ忍。
交戦していた相手の刃が大きく空振りした隙を狙い、顔面に肘鉄を繰り出す。
そして怯んだ瞬間、蹴り転がすように森の方へ男を追いやった。
情けない男の悲鳴を背に、雷蔵は駆け出す。
先程麻言へ蹴りを放った山賊が。
背負っいた刀をいつの間にか引き抜いていた。
麻言へと距離を詰め、刀を振り上げながら嘲笑を浮かべている。
とどめを刺すつもりだ。
その光景に雷蔵の冷静な部分が“もう間に合わないっ”と告げていたが。

「――やめろおおおおおおおぉぉぉぉっ!!」

彼の根っこはそれを拒絶するように叫んだ。


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