【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
闇の中で三人は同様に下卑た笑いを浮かべている。
ちぃっ……!三人か。俺一人なら何とかできるかもしれんが。
第三協栄丸は麻言を一瞥する。
生憎麻言は今日、自身の刀を置いてきてしまっていた。
武器らしい武器も持ち合わせてはいない。
庇いながら、戦うんじゃ分が悪い上に下手すると巻き込んじまう可能性がある。
だったら―
「―麻言っ!今来た道を戻れっ!!」
第三協栄丸が叫び声を上げた。
それを合図に山賊達が第三協栄丸に襲いかかる。
「おらああっ!!」
咆哮と共にひと薙ぎすると、山賊達は思わず怯んで後ずさる。
その隙に第三協栄丸は叫んだ。
「行けっ!!そのまま忍術学園に引き返すんだっ!」
「で、でもお頭……っ」
「いいからっ!!早く行けえええええええっ!」
おろおろとする麻言を叱咤するような叫び。
それに意を決したように麻言は踵を返し走り出した。
――が。
「おっと残念っ。行き止まりだ」
それを遮る声が。
そして、脅すように正面から麻言は刀を突きつけられた。
思わず数歩後ずさると、目前からもう三人と同様の身なりの男が二人現れたのだ。