• テキストサイズ

【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】


ピタリと途中で動きを止めると、後ろにいた麻言に「ちょっと、そっち向いてて」と喜八郎とは別方向に首を向けさせた。
最初は何をするのかと、しきりに目を閉じたり開いたりしていたがわりとすぐ「は~い。こっち向いて良いよ~」と喜八郎のお声が掛かった。
そして、もう少し先に進むように言われた。
すると。
麻言は自身の目に映り込んだ光景に。

「―わあ~。なにこれっ!穴だらけじゃないかっ」

驚きと感心するような叫びをあげる。と。

「……ふ~ん。麻言ちゃんには此処がそう『見える』んだね~」

喜八郎は何だか妙に納得いったという顔をしている。
初めて麻言は其時、喜八郎の別の表情を見た気がした。

「はあ、もう……!何なんだねいきなりっ」

そう言って後ろから付いてきた夏之丞に

「あ、そこ穴があるんで気をつけて下さいね。この辺りも穴だらけですから……」

麻言が注意を呼びかけるが、夏之丞は眉を顰めた。

「何言ってるんですか、穴なんて―」
「ねえ、麻言ちゃん。ちょっと聞きたいんだけど」

喜八郎に言葉を遮られ、夏之丞はがくりと肩を落とした。

「ここにある穴、いくつある?」
「え。……ちょっと待ってね」

そう言うと数を数え始めた。
いつの間にか他の全員も到着しており、皆緊張した眼差しでその麻言を見ていた。

「うん、十二個かな。多分間違いないと思う」

そう言って麻言は喜八郎へ振り向いた。と。

/ 177ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp