【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
「―ほんっとおおぉにすいませんでしたっ!!この阿呆八郎が……っ!」
「もぉ~。本人怒ってなさそうだから、別に良いじゃないか~」
「馬鹿野郎っ!みだりに女性の胸……否っ、とにかく女性に抱きつくなんて何考えてんだよっ!!」
全力で頭を下げる守一郎を喜八郎は非難の目で見ていた。
先程殴られたのを根に持っている様子だが、正直殴られても仕方ないことである。
喚き散らす守一郎を麻言が「まあ、まあ」と宥めるが。
「その、僕は気にしてないから。ね?」
「ね?じゃありませんっ!気にして下さいっ」
「そうですよ麻言さんっ!女性として恥じらいを持って下さいっ」
「ご、ごめんなさいっ?」
宥めるどころか逆に怒らせてしまった上に、庄左衛門からも同意見の言葉が上がり、一年は組全員が頷きながら顔をしかめた為麻言は縮こまった。
「……あっ、すいません。つい……っ!」
それを見て反省するように守一郎が下を向くが
「ううん、謝らないで。僕がその~、しっかりしてないのが悪いんだし」
と麻言が苦笑して言った。
「あっ、そういえば自己紹介がまだだったよね。僕麻言。
兵庫水軍の者です」
気を取り直すように麻言がそう言うと喜八郎、守一郎の二人は納得が言ったように頷いた。
「あ~、やっぱりそうだったんだぁ。『見目麗しい』とは違うけど可愛らしいなあって思ったもん」
涼しげにそう言う喜八郎とは逆にぎょっとした顔をして守一郎は慌てて耳打ちしだした。
「ば、馬鹿っ。何でそんなこと普通に……!」
「何で?本当の事だし、褒めてるんだからいいじゃん。
守一郎はそう思わないの?」
「お、思わなくないけどっ、俺が言いたいのはそういう事じゃ……!」
「……守一郎ってウブ?」
「な、何だと、この……っ」
矢羽の様な会話劇に麻言が首を傾げて見ていたが、
やがて視線に気がついた守一郎が気づき「す、すいません度々……!」謝る。