【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
半眼で喜八郎を睨んで叫ぶ一人の紫装束の少年。
―浜こと、浜守一郎の傍にいつの間にか麻言が来ていた。それを彼は目を丸くして見るが
「じゃあ、喜三太くん。右手で僕の腕を持って……。
―え~と、君は喜三太くんの左手をお願いして良いかな」
「あっ、はい……!」
麻言の言われるがまま、守一郎は喜三太の左手を掴んだ。
「じゃあ、『いっせいのーで』で引っ張ろう……!」
「はい!―じゃあ、行きますよっ!」
麻言の呼びかけに守一郎は応じる。
二人は力を込めるように体制を整えた。
「いっ」
「せい」
「の~」
『―でっ!!』
最初に麻言。続いて守一郎。次に喜三太―
そして最後は周囲の皆も共に叫んだ。
すると、すぽんと抜けるように喜三太が飛び出てきた。
勢いがあまり、飛び出た喜三太は麻言へ覆いかぶさり
抱きつくような形となる。