第5章 ついに始まる学校祭
「斗真くん、今のは告白ですか!?」
司会にそう聞かれて、初めて斗真は自分が言った事の恥ずかしさに気づいたようだ。
「ノ、ノーコメントで///」
顔を真っ赤にして私の隣に立った斗真の事を私は見る事ができない。
恥ずかしくてたまらないのだ。
「それでは今までの話をトータルして自分が推薦するカップルの前に並んでください!!」
コンテストは進み、私たちは壁のほうを向いてと言われたので壁を見る。
足音がたくさん聞こえ、少しすると体育館は静かになった。
「結果が出ました、参加者の皆様はこちらを見てくださいっ!!」
私はふぅ、と一呼吸置いてから振り向くと私たちの列に大勢の人が並んでいる。
「ご覧のように齊藤 優里さんと中里 斗真さんが他と圧倒的票差をつけていますっ!」
私は理解が追いつかず、斗真の方を見ると斗真もこちらを見て「へ?」と言った。
全校生徒の拍手が飛び交う中、生徒会役員が私達にマントと冠をつけてくる。
「第58代目、ミス如月は齊藤 優里さん、ミスター如月は中里 斗真くん。
それぞれにインタビューを伺いましょう」
そう言ってマイクを渡されたが何を喋って良いか分からなかったので、
「私たちの事をエントリーしたの誰ですか?」
と聞くと、とても大きな返事が返ってきたので思わず2人で爆笑してしまった。
私たちをエントリーした人。
それは1-Dのクラスメイトと生徒会役員のみんなだった。
制服が汚れたからといってドレスを着させられたのも全てこれのためか、と気づく。
終始、笑いで包まれた体育館でのコンテストはとても楽しかった。