第5章 ついに始まる学校祭
それから少しすると、全校生徒が集まってきた。
参加者には舞台袖に移動してもらい、私達は整列指導を行う。
「それではこれより、第58回ミス、ミスター如月コンテストを行います。
早速、今回の参加者紹介に参りますっ!」
そこで司会を他の人に託して、私と斗真はスポットライトに移動する。
「エントリーNo.1!1-Bのカップルの
鈴木 アヤメさんと木下 光輝くんっ!」
そんな感じで続々と紹介され、8組が揃ったので私はスポットライトを消した。
が、アナウンスは続く。
「エントリーNo.9!1-Dの齊藤 優里さん、中里 斗真くんっ!」
……は⁉︎私たちエントリーしてないんだけど⁉︎
斗真と顔を合わせるが、彼も何が起きてるかわからないという顔をしていた。
「早く体育館ステージに上がってください!」
生徒会役員に背中を押されて、私たちは歓声の中ステージに上がった。
「なんで私達ここにいるの…?」
「誰かが勝手にエントリーしたか、手違いのどっちかだな…」
どっちにしろ今から取り消すことは無理なので、私たちは参加することになった。
とにかく盛り上げようと質問を生徒会で用意したが、まさかその被害に私達が合うとは思わなかった。
全部で質問は3つ、如月高校の良いところ、担任の良いところ、そしてパートナーの好きなところだ。
生徒会長としてせめて良いこと言わなきゃ、信用がどっか行くなぁ〜
私は必死で頭の中で原稿を用意し、斗真と共にマイクで話す。
いちいち、クラスの人が反応するのでなんだか照れてきてしまった。
「斗真の良いところは、しっかりしてそうに見えて実はドジだったりはするんですけど、やることはきっちりやり通す斗真を尊敬しています。
副会長としても、1人の男性としてもとても素敵だと思います」
「優里は一見完璧そうに見えるんですが、実は弱い部分も多いです。
そのくせ、人に頼るのが下手くそなのでいつも溜め込んでいます。
俺はそんな優里が好きなのでもっと頼ってほしいと思ってますっ!」
斗真がそう言い切った途端、全校生徒から黄色い歓声が上がった。