第5章 ついに始まる学校祭
私が玄関へ行くと、担任が待ち構えてた。
「齊藤っ、お前途中で倒れて病院行ったんだってな⁉︎気づかなくてすまんかった」
何のことだ? とは思ったが蒼茉さんが気を利かして電話してくれてたのだろう。
「あ、はい。ただの貧血だったので大丈夫ですよ。ご心配おかけしました」
担任と会話していたら、斗真がやってきた。
「間に合って良かったね、リハもうすぐで始まるよ」
「分かった、すぐ行くね!」
私はそのまま体育館に向かってミス、ミスター如月のリハーサルを行った。
それが終わると、教室での活動に戻らなければならない。
教室へ行くとみんな「心配したよ〜」などと声をかけてくれた。
私はスーツが破けてしまったことと新品のスーツの事を話すと、スーツを貸してくれていた友達も納得してくれた。
最初はドレスでいる事も許してくれたので、全てが順調に進んだので無事に一般公開が始まった。
黒のドレスの丈は膝くらいなのでとても歩きやすい。
しかもいつの間にか紙袋の中にはドレスにピッタリのヒールや髪飾りも入っていった。
由羅さんの気遣いさすがだなぁ〜
と思いつつ、私は校内を歩き回り客寄せからのスタートだ。
昨日と同様、ドレスを着てることもあってなかなか目立つ。
「1-Dに来てくださ〜い!生徒会企画にも参加お願いしま〜す」
ちゃっかり生徒会企画の方の宣伝もしといたので今年の参加数も期待できそうだ。
だいぶ目の腫れも引いたので、残念だがメイクを落としてスーツに着替える。
ショートの茶髪カツラに予備があったので、それを借りれば男装の完成だ。
「うちのクラスのNo.1ホストの登場です!」
相変わらず混んでいるクラス内で、そんなアナウンスが入ると一斉に私に視線が集まった。
それから私にとても指名が入ったので、午前中はずっと働いていた。