第5章 ついに始まる学校祭
それでもなんとか晩ご飯を食べ終わると、斗真がずっと隣にいてくれた。
斗真は私に必要以上のことは聞いてこなかったし、ずっと手を握っててくれた。
「怖かったね……あの時一緒にゴミ捨て行けば良かった…」
斗真が悲しそうな顔してこちらを見てくるので私も胸が痛くなった。
斗真にこんな顔してほしくない……
「そんな顔しないで…私は大丈夫だから」
そう言うと斗真は涙目だったけど笑って私を力強く抱きしめてくれた。
「斗真……このまま寝てもいい?」
「うん」と斗真は言ってくれたので私はそのまま眠る事にした。
私は何か柔らかい感触を感じて、眠りから覚ました。
目を開けると目をつむった斗真が私にキスをしている。
頭が理解できない間に口の中に何かが入ってきたので反射的にのみこんでしまったか。
「っっ、と、うま……⁇」
私が名前を呼ぶと斗真は目を見開いた後全力で後ろに退いた。
「あ、や、違うだ!!決してキスがしたかったわけじゃなくて!や、したくないわけではないんだけど…///あれ?」
斗真は赤面しながら自分が何言ってるか分からなくなって戸惑っている。
私は口の中に残った独特の味で自分がピルを飲んだ事に気づいた。
「あ、薬飲ませてくれたの?…ありがとう///」
斗真が顔を赤くしていたからなぜか私まで恥ずかしくなってしまった。
「お、起こしたら悪いと思って……体は大丈夫か?」
体は相変わらず痛むが昨日ほどではない。
「大丈夫だよ、斗真のおかげかな」
若干無理しつつ、ベッドから起き上がって時計を見ると5時だった。