第5章 ついに始まる学校祭
今、優里は俺のベッドで寝ている。
家について、最初に兄ちゃんが優里の身体をお風呂で洗ってくれていた。
「学校には電話しておいた。…本当のことは話してないけど」
兄ちゃんも優里をとても心配そうに見つめている。
「あ、これ…飲ませなきゃ…」
そう言ってポケットからなにか薬のようなものを出した。
「これはアフターピル。怪しいものじゃないぞ」
俺が不思議そうな顔をしていたのか、聞く前に教えてくれた。
「いつ起きるか分からないから手遅れにならないうちに、な。」
兄ちゃんが優里の上半身を起こした後、なぜか俺に薬と水を渡してきた。
「口移ししなきゃなんだから斗真がやれば?ついでにキス出来ちゃうぞ〜」
なんて真面目な顔で言うもんだから笑ってしまった。
「優里が起きた時、お前がそんな顔してたらダメだろ?…ってことでやれ」
俺はドキドキしながら少量の水とクスリ口に含み、優里の口に移す。
やば、唇が柔らかい……///
なんて思ってたらコクンと音がなり、彼女の口に水と薬は残ってなかった。
「えっと今から12時間後だから明日の朝、5時だな。起きてちゃんと飲ませろよ?」
兄ちゃんは耳元で「ファーストキスおめでとう」と言ってニヤニヤしながら部屋を出て行った。
なんで今のがファーストキスってばれたんだ⁉︎
…なんか悔しんだけど。
なんてことを考えた後、眠っている優里を眺めていたら俺も眠ってしまった。
「斗真っ、ご飯出来たぞ!お、き、ろ!」
背中を叩かれ目をさますと、相変わらず優里は寝ていた。
ご飯は持ってきてくれたので、2人で部屋で食べる。
「目、覚ましても優里大丈夫かな?」
「ショックは大きいだろう…」
正直、援交のことも優里の前では偉そうなことを言ったがあまり整理できてない。
「斗真、もう知ってんだろ?優里がどうやって生活費稼いでるか…」
「ー兄ちゃんも知ってたの⁉︎」
まさかの事実に驚いたが兄ちゃんと優里が2人きりになることは多いし、話していても不思議ではない。