第5章 ついに始まる学校祭
イスに座っている…男の子?が周りの男達のモノを咥えている。
見てて気持ちのいいものではないが、
ずっと見てると男の子は服を切られていく。
髪の毛を引っ張られたと思ったら、カツラだったようで長い黒髪が現れた。
それからぐっと顔にカメラが寄ったことで分かってしまった。
嘘だ……この人、優里に似てる……
俺はすぐに兄ちゃんに携帯を見せる。
「こんな時に何見てんだ⁉︎…ん⁉︎⁉︎こ、この子もしかして……」
すぐに兄ちゃんも分かったようで狼狽えている。
「ここどこだ……⁉︎それコメント打てるよな?楽しんでるフリして住所聞くか…」
車を止めて、それぞれの携帯でコメントを打つ。
しかし行為は段々エスカレートしていくだけで、なんも手がかりはない。
しかし、主犯とみられる男が不意に「優里ちゃん」と言った。
兄ちゃんは「あ…」と声を漏らして顔を真っ青にしている。
「観覧者数1万超えてる…やばいな…」
優里も苦しいようで涙を流している。
「とぉっ、まぁ、助け、んっ!て…」
カメラを見た優里が俺の名を呼ぶ。
助けなきゃ、絶対に…絶対に…
俺たちは繰り返しコメントし続けていたら、配信が終わりそうになってきた。
聞けなかったら優里の事助けれない、という不安で誤字が段々多くなる。
「***県***町*-*-*の倉庫の中に優里ちゃんはいるよから、誰か迎えに来てあげてね〜」
「蒼茉さんっ、斗真っ、助けに来てよっっ!」
「出るぞっ、場所調べろっ!!」
俺は即座に携帯で調べ、兄ちゃんは車を走らせた。
ここから約6キロ、10分でつく。
「兄ちゃん、早くしなきゃ優里が…」
「分かってるっ、飛ばすぞ!!」
俺は初めて車で酔ってしまった…。