第5章 ついに始まる学校祭
「斗真のおかげで企画は成功だね。
明日はミス、ミスター如月があるので放課後はリハです!
えー、残り2時間くらい一般公開は続くので気を引き締めつつ、楽しみましょう」
そう言って私達は解散した。
私と斗真は生徒会企画の時間と休憩を重ねていたので、休憩時間はあと20分ほど。
「斗真、お化け屋敷行こう!!」
私は斗真の手を取り、2年生がやっているお化け屋敷へと向かった。
長い列に並んでいる間もやはりこの格好は目立つようで写真を撮られる。
「やっぱり着替えてきた方が良かったかな」
と私が言うと斗真はいきなり声を張り上げた。
「1-Dには美男美女が揃ってますよ〜!
指名して貢いじゃって〜!」
「どしたの?いきなり…」
「だって俺もテレビ欲しいから宣伝しなきゃ!」
私達はさっきと言ってることが逆転してる事に大笑いをした。
そんなこんなで私達は列の先頭になる。
受付の人に一本のライトを渡されて中に入る。
「守ってあげますよ、斗真お嬢様?」
「頼みますよ、執事さん」
そう言って笑いながら私達はスタートした。
怖い感じのBGMが流れる中、壁に沿って歩いていくと色んなところから不気味な声が聞こえる。
「うわっ、なんかこの壁ぬるぬるしてる!」
「うわっ、おー!手が出てきた」
などといちいち騒ぎながら私達は進む。
もうすぐゴールかな、と思って目の前の扉を開くといきなり女装してる人が飛び出してきた。
「リア充ぼくめぇぇぇぇつ!!」
そう叫んで私たちの周りで騒いでるが、
私たちはそこまで驚くこともなくその光景を見る。
「…驚いてよ、会長、副会長!」
その人はいきなり騒ぐのを止め、かぶっていたカツラを取る。
「「あ、松永さんっ!!」」
その人は生徒会の一員の先輩だった。
「驚いてくれなきゃダメじゃんっ!…っと、客が詰まるから行ってくれぇ〜」
そう言って松永さんに背中を押され、私達は教室から出た。
「ふぃ〜、楽しかった!!」
「やりたい放題したもんね〜」
そう話しながらリフレッシュした私達は教室に戻っていった。