第5章 ついに始まる学校祭
「1-Dの『男女逆転、ホスト&キャバ風café』に来ませんかー?」
「お気に入りの子のご指名をどうぞー!」
そうして始まった一般公開の部。
私と斗真でまずは客寄せの為に教室の前で呼子をしている。
私たちの眼の前を通る人たちは、
「あの子、かっこいいんだけど!」
「めっちゃあの子綺麗じゃね?」
と言いながら教室に入ってくれている。
「いい感じだね、ゆうり」
「だな、テレビの為だし頑張るか!」
男口調にもだいぶ慣れたので私たちは引き続き呼び込みをする。
その時、教室組のホストに扮した女の子が私と斗真を呼んできた。
「どうしたの?そんな慌てて…」
教室にはたくさんのお客が教室の端に寄せられている。
「この人たちみんな、優里と斗真の指名待ちなの!相手して!ほらほら!」
と2人していきなり一緒のボックス席に座らせられる。
「1-Dの美男美女の指名開始しまーす!」
その声で先頭に並んでいた人たちが席に座る。
しっかり接客しなければ……
「ご指名ありがとうございます、ゆうりです。何か飲まれますか??」
私がそう聞くと、40代ほどの保護者と思われる婦人たちはたくさんの物を頼んでくれた。
シャンパン風のジンジャエールやワイン風のグレープジュースが運ばれてくるとみんなで乾杯をした。
『男女逆転、ホスト&キャバ風café』の良いところは、私たちもお客様から飲み物や食べ物を奢ってもらえるとこだ。
斗真も頑張って接客してるみたいだ。
「ゆうり、次は向こうにも移動して」
と黒服役のクラスメイトが言ってきたので、私は違うテーブルに移動し客をもてなす。
そんな感じで私と斗真はとにかくたらい回しにされて疲れた。
午前の売り上げは中々のもので、私たちは休憩がてら教室前で受付をした。