第4章 彼の正体
それからは3人で他の人の邪魔にならないようにしばらくお話をしていた。
ちなみに面会の時間はがっつりすぎているのだが蒼茉さんと担任が頼みに頼んだらしい。
「そろそろ優里は寝たら?寝不足だったんでしょ?」
と、斗真が気遣ってくれた。
確かに寝不足だったせいで変にみんなに心配かけてしまったと言うのもある。
「うん、そうするよ。2人はどうやって寝るの?」
「「俺はベッドで優里の隣で寝るよ」」
と2人して揃った答えを披露してくれた。しかし、お断りだ。
結局ナースステーションから借りてきた毛布にくるまって寝ることにしたようだ。
「「「おやすみなさい」」」
と言って、私たちは静かに眠りについた。
たくさんの足音が聞こえる。なんだか騒がしいようだ。
静かに目を開けると、昨日最後に見たときのような光景ではなく私のベットに頭を乗せて寝ている蒼茉さんがいた。
斗真がいない、と思って焦ったが時計を見れば9時だ。学校に登校したようだ。
それにいつの間にか蒼茉さんの服がスーツではなくラフな格好になっていた。
ベッドの上に置いてあった毛布を蒼茉さんにかけてあげるとピクッとはしたが起きなかった。
だいぶ頭の痛みや身体の痛みはなくなり、多少体を動かすのは楽だ。
そこに看護師さんが来て、私に話しかけようと口を開いたが私は口に人差し指を立てた手をやる。
蒼茉さんをここで起こすのは可愛そうだったのだ。それを察した優しい看護師さんはその場で書いたメモを渡してきた。
内容は身体の調子を聞いてきたのとと朝ごはんを持ってくることだった。
私もメモに書いて返すと看護師さんは微笑んでまた出ていった。