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私は吉原のお姫様【R18】

第4章 彼の正体


優里 side


私はきっとフラグ建築士になれるな。


なんて考えていた。要するに事故りました、はい。


倉庫に入り、地下室の扉を開けようとした途端に床が崩れたようで地下室に落ちた。


地下室の床までは約3メートル、床は石で出来ているのでかなり体は痛む。

ついでに床だった破片が自分に降りかかった挙句、暗くて電気がつけれない。

というかまず、起き上がれない。


「おーい、王子様ー!助けてー」


なんて棒読みで言ってみる。やはり1人できてよかった。すぐに斗真が来てくれるはずだ。


5分くらい経っただろうか。
なんだか瞼が重たくなってきて、寒い。

ヤバいんじゃないかと考えたが私は寝てる時以外眠いし、ここは地下だから寒いのは当たり前かもしれない。


斗真が来るまで寝てような、なんて思っていたら足音が聞こえてきた。



「会長っ!!大丈夫ですか?」

倉庫の入り口から生徒会役員の声が聞こえた。


「ここにいる」と答えようとしたが声が出ない。


「会長⁇…っそこ!穴空いてるっ!」


次に斗真の声が聞こえたと思ったら
私が落ちた穴から顔が少しだけ見えた。


「会長っっっ!」


もともと大きな目をさらに大きくした斗真が穴からスマートに地下へと降りてくる。


「会長!大丈夫っ⁉︎って頭から血が!誰か先生呼んで!早く!」


斗真が私をお姫様抱っこのように抱いてるが、しっかりと頭は支えてくれている。


「会長、しっかり!揺れるよ!」


そう言った斗真は見えないはずの地下室を走り、出口から地上へと戻った。

そのまま、保健室へと向かっているようだ。


「ありがと…ほんと…に来て、くれたね、王子、様みたいだ…」


斗真の温もりが覚めた体を温めてくれて、なんだか夢見心地の気分だ。


「当たり前、でしょ?」


彼がそう言って、私に微笑んできたので私も微笑み返すといつもの野太い声が聞こえた。


「齊藤ぅぅぅぅ!だ、だ、だ、大丈夫かぁぁぁ?」


「ちょっと中川先生、落ち着いてください!」


この声は担任と保健医だろう。
相変わらず担任はうるさいな、と思った。


私は保健室へと連れてかれ、ベッドに寝かされる。


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