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私は吉原のお姫様【R18】

第4章 彼の正体


そして放課後となり、隣の眠り姫はようやくお目覚めとなる。


「おはよう、会長。よく寝れた?」


「…ぅん、はよ…」


どうやらまだ完全に目が覚めてないようで、目をこすっている。

欠伸をした後に何かを探すような仕草をしていた。


「何探してるの?大丈夫?」


声をかけると「んー…」と答えた後にハッと言って頷いていた。


「鞄を生徒会室に置いてきたから、ホームルームサボるね!じゃ、またね!」


そう言って彼女は教室を出て行った。
まさしく、嵐のようだ。


「斗真はいいよなぁ、会長となかよくてさぁ〜〜?」


彼女が出て行った扉を眺めていたら、友達が机の周りに集まってきた。


「話したくても寝てるか、なにかに集中してるしさぁ?それになんていうか高嶺の花なんだよな〜」


そう言いながら、俺を突いてくる。

確かにいつも寝てるから話すチャンスは少ないが、高嶺の花だとは思わない。

それはきっと生徒会長の齊藤 優里も見ているがそれ以外の彼女も見ているからだろう。


そんなこと思ってると先生が教室へと入ってきた。


「ではこれから、ホームルームを始めます。…って齊藤はどこだ?」


早速気付いていてしまったようです。
どれだけ、目立つ存在かが分かる。


「お腹痛いからトイレ行きましたよ」


俺がそう言うと納得したようで無事にホームルームは終わった。


すぐに生徒会室へと向かうと、扉についてる窓からエプロン姿の会長が見えた。


壁にスローガンを立て掛けて見ているようだ。

昨日はまだ出来ていなかったはずのスローガンがとても綺麗に仕上がっていた。


「会長がやってくれたの?」


そう言いながら、俺は生徒会室へと入る。


「わっ、びっくりした!…そうだよ!
朝早くから3時間目までやってたから4時間くらいかな!」


満足そうにしている彼女は大きく伸びをしてから、スローガンを折り畳んでいた。

遅刻した理由はこれをやってきたからで、ここに鞄があるという事はここに鞄を忘れたからああなった、という事だろう。

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