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私は吉原のお姫様【R18】

第4章 彼の正体


「危なかった…乗り遅れるところだった…」



私はギリギリで電車へと乗り込む。

帰宅ラッシュ中の車内はギュウギュウで、汗の匂いが立ち込めている。


いつもはこれよりも1本早い電車で吉原へと行っているので、満員には慣れていない。


座れないのか…これからは気をつけよう。




ガタンッ


「ーぁ、すみません…」



不意に電車が揺れ、目の前に座ってる男の人に私の膝が当たってしまった。


腕を上げたら制服が上に上がりお腹が見えてしまう。

しかし、つり革に捕まらなくては今のように前の人に迷惑をかけてしまう。



しょうがないか…



私は覚悟を決めて、利き手をつり革に伸ばした。


前の人の目線は私のお腹あたりにあるので、がっつり見られているだろう。


なんだか恥ずかしく思っていると、その男の人は私にパーカーを差し出してきた。


「ーこれ、羽織ってください。お腹冷えてしまうでしょう?」


「え?ーあっ、ありがとうございます」



私が慌てて受けとり、パーカーを羽織る。お腹のところは温かいし、しかも柔軟剤の匂いが良い匂いだ。



なんとなく嬉しい気分になっていたが、
それはすぐに無くなった。



明らかに後ろの人が私のお尻を触ってることに気づいた。


当たってるだけなら故意かどうか分からないが、明らかに揉まれている。



別に手を掴んで、「痴漢です」と言っても良いのだが大事にしたくない。


吉原まではあと20分ほどで着くはずだ。



「しょうがない、我慢するか…」


私は誰にも聞こえないくらいで、小さく呟いた。





それから少ししてから痴漢の手の位置は少しずつ移動してきた。


まずいな、さすがに生で触られたら声抑えられる自信がない…



横目で後ろの方を見てみるが、状況はよく分からない。





「ーっっっ!」


そんなことを思っていると、いきなり冷たい手が私のお尻を直に触れた。



慌てて口に手を当てて声を我慢したため、前の席の人は首を傾げてこちらを見てきたので、とりあえず笑っておいた。

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